千体千手観音立像

国宝

千体の観音像は正式に「十一面千手千眼観世音菩薩(じゅういちめんせんじゅせんげんかんぜおんぼさつ)」と呼ばれ、観音が困苦の衆生を救うために「十一面と千手千眼」の姿を具備されたものとされます。
堂内では、前後10列の階段状の壇上に等身大の1000体の観音立像が整然と並ぶ形状は、三十三間堂ならではの特徴です。各像は、頭上に十一の顔をつけ、両脇に四十手をもつ通形で、中尊同様の造像法で作られています。
千体の中、124体は、お堂が創建された平安期の尊像、その他が、鎌倉期に16年かけて再興された像です。その約500体には作者名が残され、運慶、快慶で有名な慶派をはじめ、院派、円派と呼ばれる当時の造仏に携わる多くの集団が国家的規模で参加したことが伺えます。
その後、大正から昭和の修理と4度の大修理を繰り返し、平成30年(2018)に約50年の修復を終え千体仏すべてが国宝に指定されました。

湛慶作の第40号尊